【商標ビジネス?】上田育弘:ベストライセンス株式会社は合法?違法?

【商標ビジネス?】上田育弘:ベストライセンス株式会社は合法?違法?

ある特定の個人と企業が、「リニア中央新幹線」「民進党」などよく知られた名前を自分の商標として大量出願していることで話題となっています。

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その出願件数は国全体の1割に及び、特許庁は異例の注意喚起を出しました。

本人は「あくまでビジネス」というのですが、はたしてその主張は通るのでしょうか。

2016年公開商標公報 出願人ランキング

まず、2016年7月1日時点で、2016年の商標登録出願がどれぐらいあるのか確認しましょう。

1位:ベストライセンス株式会社(714011053)
8682件

2位:上田 育弘(302041154)
3041件

3位:株式会社サンリオ(000131094)
526件

4位:株式会社資生堂(000001959)
333件

5位:株式会社コーセー(000145862)
248件

1位に輝くベストライセンス株式会社は、上田育弘さんが代表を務める会社です。

2015年に上田さんとベストライセンス株式会社は、なんと合計1万4786件を出願しました。
これは国内全体の約14万7千件の約1割を占め、他を大きく引き離す件数となっています。

どんな商標を出願しているのか

STAP細胞はあります
200回以上成功しました
ラブライブ
北海道新幹線
北陸新幹線
コクウマ
電子申告
終活
スカパー
あまちゃん
じぇじぇ
民進党

などなど・・・

それらの出願が全て認められているのか?

認められていません。
理由は、登録に必要な手数料が支払われていないからです。

通常、1件の出願に少なくとも1万2千円、1万5千件なら2億円近くを特許庁に支払う必要があります。しかし、上田さんは大半で支払っていません。支払わない場合、半年程度で出願が取り消されますが、その間は特許庁の情報サイトに「審査待ち」と掲載されるとのことです。

特許庁の対応は?

特許庁は2016年5月中旬、ホームページ上で大量申請について、「名前が先に出願されていても取り消される場合があるので、あきらめないで」と呼びかける告知を出しました。しかし、出願そのものを規制することは難しいとのことです。

なぜ、こんな事態が発生してしまうのか?

商標と言うは、先に出願した人の権利が認められる「早い者勝ち」が原則となっています。
そして、手数料の払い忘れなど手続きに不備があっても、最初に出願した日付を認めてもらえるように、「保留」の状態にできます。

期間を半年程度置くのは、海外から出願書類をやりとりすれば往復数カ月かかることもあるためだとのことです。

上田さんの目的は?

朝日新聞の取材に本人が答えたそうです。

――大量の商標を出願する目的と、始めたきっかけは

 将来に自分で商標を使う、他人に権利を譲渡する、先に出願しておくことで権利を仮押さえする。この三つが狙いだ。2013年に弁理士会の会費を滞納して、弁理士の登録を抹消され、出願代理人として活動できなくなった。そこで、自分で商標を出願することにした。

  ――なぜ、手数料を払わないのか

 権利化するメリットがあるものを、後から厳選して払う。数千件の中からいくつかを選び出す。もうけにはまだなっていないが、いつカネに結びつくかわからない。欲しい人が現れれば実になる。

  ――出願する言葉はどうやって決めているのか

 新聞が主で、インターネットやテレビ、ラジオなどあらゆるメディアの情報を元に選んでいる。

  ――「民進党」や「STAP細胞はあります」「LOVELIVE(ラブライブ)」といった、よく知られた名前や話題になったものが多い

 自分自身がこれから政治家になって活動するかもしれないし、権利を譲渡する可能性もある。民進党は私に3日遅れて商標を出願したが、出願前に党名を公開したのが間違い。東京五輪の新しいロゴは、商標出願をすませてから公表された。権利をとりたいなら、あれが正しいやり方だ。

  「STAP細胞~」は、ジャーナリズムの中でこれから役に立つ可能性がある。いろんな標語に使えると思って出願している。

合法?違法? 法律的には問題ないのか?

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商標登録に関する法律として、商標法があります。
商標法によると基本的には出願自体を禁止することはできません。商標登録出願をすることは国民の権利であり、それを認めるか否かを審査するのが特許庁の仕事ですので出願は受けるしかありません。

では、法律から変えればいいのではないかと言う意見も出てくると思います。
しかし、日本は商標法条約を締結しており、商標法改正には商標法条約の改正まで必要になってしまうかも知れません。

商標法条約とは

1996年8月1日に発効された、商標出願手続の国際的な制度調和と簡素化を図るための条約。条約の管理は世界知的所有権機関が行っている。締約国は53か国(2015年4月現在)。日本は1997年1月1日にこの条約に加入しています。

現時点では違法でなかったとしても、この商標登録の出願が適切なものであるとはとても考えられません。

今後悪質な商標登録を防ぐためにも、条約も法律も改正されることを望みます。

特許庁? 東京特許許可局?

余談ですが、「東京特許許可局」と言う局は存在しません。

早口言葉として作られた造語です。

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日本において特許権を付与する機関は特許庁です。

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